日曜日

小説が面白すぎて読み進めるのがもったいない時ってあるじゃないですか。その時、いったん読書から離脱して部屋の中うろうろしたりするんです。まずトイレで用を済ませた後、鏡に映る自分を見ます。ふと眉毛に視線を移してみると、毛が伸びていました。眉の手入れを怠っていたから、おじさんみたいになってる。それと眉間の毛も生えていたので、シェーバーを取ってきてそそくさと剃りました。剃るとき、まつ毛まで巻き込んでしまいそうだから、気をつけながら。なんでこんなことで神経つかっちゃうんだろうって不思議に思うけど、そういう人間もかわいいなと思う。また小説を読み進めるかなと思うけど、今はこうして冷房に当てられて冷たくなったソファーに頬をなぞっていたい。PCに反射して、カーテンが揺れているのが見える。ずっと曇り空で、時間の確認の仕様がない。むしろ時間なんて存在しないみたいに偉そうな曇り空をしてる。どんどん落ちていく、体温がソファーに馴染んでいく、文字入力の点滅する縦棒線が心臓のリズムみたいで、見ないようにした。この感覚、子どもの時の車の中でひとりお留守番してるときみたいな、その感覚と似てる。自分から留守番を望んだのに、早く来てほしいと願ってしまうあの感覚。ねむってしまったら、いつの間にかお家に着いてた。みたいな、あの感覚ってやっぱり大切だよなあ。あー、なんていうか、今は、こうしていたい。わかんないけど、ひとりでこうしていたい。